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撮影 最終日

 

完成「茜色の約束」

 

早朝の撮影現場。撮影開始時間の30分も前から三倉佳奈さんの乗った、
ワンボックスカーが停まっている。
"今日が最後"そんな気持ちが、伝わってくるようなその車の存在が、
現場の緊張を否が応でも高め……。
 

今日で全体の撮影は最後。無事にここまで来たという
安堵と、泣いても笑っても、これで最後という緊張と。
出演者もスタッフもそれは同じ。
 
ぞくぞくとエキストラさんたちも集合し、
衣装を着替えたり、打ち合わせをしたり。
パレードの撮影で活躍してくれた、サンバ隊も駆けつけてくれた。
 
最終日ともなると、エキストラさん同士も複数回の参加なら、
顔見知りも増え、さながら同窓会のような雰囲気も。
「前回は、暑かったですなあ」なんて会話も聞かれる。
 
同窓と言えば……本日エキストラとして神主の役を
してくださる中村友厳さん(ともひろ)さん(32)は、塩崎監督
の同級生。丹生川上(にゅうかわかみ)神社の本物の神職さん。
ぴったりの役柄で、監督を応援。
 
逆に警備員の衣装が良く似合う柳谷周作さん(32)は
「今日急に着ろって、言われたんですよ」と照れる。
やはり監督の同級生。
なんと監督とは、高校時代バンドを組んでいたそうで
お二人からは、監督は「有言実行型」「実はラテンの血が流れている」
なんて、興味深い証言も飛び出した。
 
そんな心強い参加も得て、たくさんのエキストラさんと
映画はクライマックスシーンの撮影へ。
 
エキストラさんの力強い群集シーンに、なんだか目を見張る。
地方の片隅の小さな街の人たちが、こんな表現をするんだから、
本当に日本って国は、あなどれない。
 
そして笹野高史さんのハイライト。
実はこのシーンを巡っては、スタッフ側と
笹野さん側とで意見が分かれ、一時現場が緊迫したことも。
それゆえ我々も注目の場面。再び緊張がはしる。
 
実際の撮影を観れば、それはきらりと光るワンシーン。
円熟の俳優笹野さんから、監督のデビュー作への
はなむけの名場面になっていた。
どの世界でも先輩とは、ありがたいものなのだ。
 
その後エキストラさんの大半も解散し、
気がつけば、茜色の空のもと、とうとう最後のシーンを撮り終わる。
 
三倉佳奈さん、大出菜々子ちゃん、
長田たけしくん、タチアナさんと、
一人ずつ、ごあいさつ。
 
黄昏の中、役者さんたちは涙と笑い、そして涙、涙。
「また、一緒にやりましょう」
……これが塩崎隊の「茜色の約束」

(文・写真 取田智子)