このエントリーをはてなブックマークに追加
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark


撮影 1日目

 

映画がまちにやってきた!

朝7時。静かなはずの日曜日の小学校にぞくぞくと人と車。
大和郡山市立片桐小学校。
塩崎監督の母校。

 
撮影場所は5年2組。そう、塩崎監督はかつて5年2組だったのだ!エキストラはさきごろイオンモール大和郡山店で行なわれたオーディションで選ばれた子どもたち。色とりどりの服装で、ぞくぞくと校舎に集まってくる。
 
照明器具や、大道具、小道具、なにより 真剣に動く大勢の大人たちに圧倒されて子どもたちは緊張ぎみ。大人がマジになったらこわいんだと、きっとどこかで感じたとおもう。
 
でも、教室に集められたみんなに、塩崎監督が、挨拶にきてくれた!笑顔の塩崎監督にみんなホッ。子どもたちの監督の印象は、
「やさしそう」 「なんか、かっこいい」
 
先生役の高見健たかみたけしさん。
一つのせりふをいろいろ変えて何度もためす。監督と相談する。モニターで確かめる。
 
「テスト」 「カット」 「本番!」
そのたび子どもたちは、机を動かしたり、すわったり。
出番じゃない子たちは、撮影のあいだは、息をころして。
 
様子を見守るスタッフたち。だれも音をたてない。
 
今年片桐小学校の5年2組。
いまごろ、どうしているのかな。こんなことが、学校で繰り広げられてるなんて想像もつかないだろう。片桐小学校からは4人の子どもたちがエキストラとして参加している。
中には本当の5年2組の児童も!
彼の目に今日の撮影隊はどう映っているのか、きっと不思議な一日にちがいない。
 
片桐小学校の本物の教頭先生が、窓越しにそっとのぞく。
「あんな集中力、初めてみましたよ。授業でも活かしてくれたらなあ」と先生、苦笑い。気が付いた片桐小学校の児童たち。急に元気になって小さくピースサイン!
 
子役の大出菜々子ちゃんが登場。
クリーム色のワンピースがきゃしゃな手足によくにあう!さっそく演技にはいる。おとうさんとの掛け合いのシーン。迫力満点。よくとおる声、迫真の演技に息をころしてた子どもたちも「カットーッ」の声がかかったとたんオ~ッとため息。
自分たちも経験したから、彼女がほんとうにすごいって、わかるんですね。
 
でも朝から何時間も待ったり、移動したりのエキストラの子どもたち。
むし暑い残暑の一日で、汗だく。いまきたばかりの菜々子ちゃんにはメイクさんがついて、汗をふいたりうちわであおいだり……。
控え室だって、もちろん違う。
菜々子ちゃんのただならない演技を見たあとだから、みんな納得。ただあこがれと羨望の目が菜々子ちゃんにそそがれる。
 
いつか今日のエキストラのちびっこから、役者さんや、映画監督がどんどんでるかもしれない。
今日のちょっとした驚きやあこがれ。羨望や悔しさが、みんなのバネになるといい。
それは今日がんばったみんなへの、「監督からのおくりもの」だ。たぶんきっと。
 
ちびっこたち、今日の一日を覚えていてほしい。

 

 

(文・写真 取田智子)